ニホンミツバチの「待ち巣箱」についてです。
昔からニホンミツバチ飼育の盛んな地域では、
自然群の分蜂群や逃去群の入居して来るのを期待して
多くの飼育者の方々が「待ち巣箱」或いは「待ち箱」(単に「巣箱」と言う地域もあります)を作って設置されています。
これは空っぽの巣箱で、ニホンミツバチ達が住居として選んで入って来たら「待ち巣箱」を「飼育巣箱」として、そのまま飼育されたり
入ってきたニホンミツバチ群を「飼育用の巣箱」に入れ替えて飼育されたりします。(待ち巣箱は待ち専用とし、飼育巣箱は別に用意されてるパターンですね)
「待ち巣箱」は日本蜜蜂の分蜂群が入居して来やすい場所が
その地域によって伝統などがあり、先人の知恵と経験の賜物だったりもします。
多くは人目につきにくい山中などに設置されたりしてますが、
トップ画像のように道路近くに大量に「待ち巣箱」が設置されてる地域もあったりします。
多くは江戸時代以前からの伝統であったりもしますので、
自分が先日訪れた地域では、近在の方が他人の敷地に勝手に「待ち巣箱」を置いても良い、勝手に置くのが当たり前と地主の方が言われてた所もありました。
古き良き伝統なんでしょうね。
その地主の方にきくと、「この「待ち巣箱」は、あそこの誰々の箱、これはあっちの家の人の箱、あれは…誰の箱かな?」と御自分の土地なのですが、おおらかなかんじでした。
また別の地域では、山中の道を車で走っていると次から次へと「待ち巣箱」が視界に入り、
いったいいくつの「待ち巣箱」が見えるんだろう?と思って、帰り道に軽い気持ちで指折り数えてみました所、
およそ50キロメートルの道程で
160個もの「待ち巣箱」が見えました。
「待ち巣箱」にニホンミツバチ分蜂群や逃去群が入居しますと、
「地域のやり方」や「状況」によっては、その場所でそのまま飼育される場合もありますが
多くの場合、自宅に持ち帰ったり、飼育場所へ持って帰ったりされるようです。
以前、巣箱を運ぶ為の古い「背負子(しょいこ)」を見せていただいた事があります。
ニホンミツバチが入居してる巣箱を「背負子」に載せて、昔はテクテク歩いて運んだんだよーと、楽しそうに話されてました。
日本蜜蜂の古くからの様々な伝統文化って本当に興味が尽きませんね。