ニホンミツバチ保護飼育 佐々木 伸一

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2021.12.05 ニホンミツバチ 040番

2021.12.05 ニホンミツバチ 040番

日本蜜蜂は学名をapis cerana japonicaといい、

東洋蜜蜂の亜種で日本の在来種であり、

日本国内に自生する唯一のミツバチであり、日本の固有種です。(業者のセイヨウミツバチはアフリカ原産の外来種で、明治時代初期にアメリカから日本に最初に持ち込まれました。)

ニホンミツバチは北海道を除く日本のほぼ全域に生息していると言われ、

国内の離島でもある程度以上の面積の島であったり本土と距離が近ければニホンミツバチは自生しているようです。

日本の各地で太古の昔からニホンミツバチは存在し、人々の営みと関わっていたのかも知れません。

今でも日本各地で、古くからの伝統的な日本蜜蜂飼育のやり方がのこされている場合があるようです。

九州の一部地域では近年まで、籐編や竹編みのような籠(カゴ)を伏せた中に日本蜜蜂を飼育されていた伝統の記録があります。

古代エジプト文明の記録で、ミツバチ(西洋蜜蜂)をパピルスを編んだ籠を巣箱にして飼育していたというのを見た事があり、

籠は通気性良く、軽くて持ち運びも容易と思われ、管理がしやすく、暖かい地域でのミツバチ飼育には合理的なやり方だったようですね。

しかし日本国内での飼育は、江戸時代などの各種資料をみるかぎり日本蜜蜂の飼育巣箱は木製の桶(おけ)、樽(たる)、箱が主流だったようです。

江戸時代の「日本山海名産図会」によると、

既にその頃は日本蜜蜂飼育巣箱の規格化が進んだのか、

ハチミツの名産地が列挙された後に巣箱サイズは各地とも概ね一尺と記載されてます。

上記「名産地」は概ね関西、中国、四国、九州の各地方で、気候条件に大差無く豪雪や厳しい寒さの少ない地域と思われます。

なので巣箱に大差ないのかもですね。

しかし、上記に含まれる「石見地方」にては何故か伝統的に巣箱サイズが半尺で、

なぜ他の地域の半分サイズの巣箱ばかりなのか、スズメバチ駆除の仕事をして石見地方の各所を見て回っていた時に聞いたりしてたのですが、昔から半尺だという事しかわかりませんでした。

トップ画像は石見地方の内陸の集落のお宅で飼育されてた日本蜜蜂の巣箱です。巣箱横幅は17〜18センチ程で小さい分、縦長にたくさん積み重なってます。この辺りの集落の巣箱は皆家屋の壁にぶら下げるタイプばかりでした。

こういった局所的で伝統的な日本蜜蜂飼育方法を見てまわるのは楽しいですね。

先日、岐阜県の飛騨の高山という所の集落をたずねる機会があったのですか、

豪雪地帯で知られるこちらでは日本蜜蜂巣箱の丸胴の肉厚(壁の厚さ)が12〜15センチもあり驚きました。

それ程にまで巣箱の壁を厚くしないと豪雪に閉じ込められてしまう冬の寒さにニホンミツバチ達が耐えられないのでしょうね。


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