ニホンミツバチ保護飼育 佐々木 伸一

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2021.08.15 キイロスズメバチ 002番

2021.08.15 キイロスズメバチ 002番

今回もキイロスズメバチです。

キイロスズメバチは、その活動環境が良好であれば、巣を巨大化させる事が知られています。

画像のキイロスズメバチの巣はその例で、キイロスズメバチ働き蜂がかなり小さく見える程に大きな巣で、抱きついても手が全然届かない程に大きなサイズでした。

これ程までに巣が巨大化すると、巣の出入り口は1つでは無くいくつもあり、

キイロスズメバチの数も数百では無く、数千匹の規模になると思われます。

スズメバチは一般に、働き蜂の数が多くなればなる程に激しい反撃性を持ってしまうので、

数千匹規模のキイロスズメバチ達ともなると相当に危険な状況となります。

自分も長く蜂駆除業をやってましたが、これ程の規模の自然巣(人工的に造らせた巣ではなく自然界に営巣されたもの)には、数える程しかお目にかかれませんでした。

さて、一般の方が上記の様な危険なキイロスズメバチの巣に接近するような事は、基本的に無いと思います。

ですので、キイロスズメバチの大群を相手にする方法やその注意点を記すよりも、一般の方々がより遭遇しやすい事例について述べたいと思います。

巣から離れ空を飛んでいるキイロスズメバチは、基本的に人間を避けます。

キイロスズメバチがいくら毒針と強い顎を持っていても、人間とは身体のサイズが違い過ぎなので、

人間の子供の力であっても手でパチンと叩かれれば簡単に潰されて殺されてしまうという「恐怖」がキイロスズメバチにはあるのです。

キイロスズメバチからすると、人間は巨大で危険な嫌な奴なのです。かかわりたくないんですね。

キイロスズメバチは視覚や音を感知するセンサーが優秀で飛行中は早期に人間を発見するので、嫌な人間の視界内に姿をさらす事は少ないのです。

人間がキイロスズメバチを見かける場合の多くは、

キイロスズメバチが獲物を狩っていてすぐ逃げられない場合、

獲物に神経を集中してる時、

エサ(樹液や花の蜜を成虫はなめます)やジュースの飲み残し等に惹かれて降りてきた場合、

風や障害物などの何らかのトラブルがあった時、

等に限られると思います。

キイロスズメバチの側も人間にかかわりたく無いので、

それらの場合、人間も近寄らずに無視して相手にしなければトラブルとなる事はまずありません。

なので、一般の方が普通に暮らしていると、

巣に近寄らない限りは

スズメバチによる被害にあう事は無いのです。

しかし、

何事にも例外はあります。

 

特殊な例 その1

「スズメバチの死骸」

稀に見つける事のあるスズメバチの死骸。

完全に息絶えていたとしても油断してはいけません。

スズメバチの腹部は、例え死んで意識が無くなっても、刺激が加わると反射的に毒針を出してしまう仕組みになってます。

死んで落ちているスズメバチは、素手で触ったりすると刺されてしまうリスクがあるので、

ホウキなどを使い直接さわらないように処理しましょう。

スズメバチの腹部だけがちぎれて落ちていても同様です。腹部だけなのに反射的に毒針を出す事があるのです。

更に、状況によっては数日たったスズメバチの死骸でも同じ危険がある事もありますので注意しましょう。

特殊な例 その2

「蚊取り線香」

これは数日前にあった事例です。

家の玄関上にキイロスズメバチが巣を造り始め、

家主は巣に気付かず、

スズメバチを玄関先でよく見かけるようになったなぁ、と軽い気持ちで玄関脇に蚊取り線香を焚きました。

結果、スズメバチ達は嫌いな煙にストレスを溜め込み危険な状況になってしまいました。

(蚊取り線香の事を知らない)自分が現場に到着した時、

人間の姿を感知したキイロスズメバチ達は一旦姿を潜めましたが、

すぐに(数十秒ほど)出て来て遠慮がちな(まだ8月の半ばで働き蜂の数が少ないので大胆な行動はやりにくいようです)威嚇飛行を複数で開始しました。

視界内のキイロスズメバチが

2匹→4匹→3匹→5匹

となって行った時、危険なので敷地外へと後退したのですが、

自分の視界の左を一匹がユラユラとした飛行の後に、サッとコチラに体ごと向き直り襲撃の気配(気を向ける)を見せました。

スズメバチは飛行中は頭部がほぼ固定されてるので、

ダッシュ(襲撃)する時は大抵こちらを真っ直ぐ見るよう、こちらに向きなおります。

依頼主の家主さんがすぐ後ろにいる状況だったので、回避や逸し(そらし)はせず、というかほぼ反射的にダッシュ潰しして襲撃行動を止めさせました。

キイロスズメバチがダッシュする直前に「ブュ」という特徴的な羽音がするので、3年ぶり位のブランクがあったのですが体が反射的に動くもんですね。

その後も巣の位置の特定などで現場を接近し歩いたのですが、3度位のダッシュ潰しをしなければなりませんでした。

この現場のキイロスズメバチ群の規模はまだ小さく、巣も直径15センチ程しかない小さい物だったのですが、

これがもっと秋深い、巣も大きく蜂数も多い場合は、さらに大変危険となる事は簡単に想像できますね。

危険な大型の巣から「充分離れている道」を通っていたとしても、

その巣に何らかの異常事態(この場合は蚊取り線香の煙でした)が発生している場合、

大変危険な状況となる事もあるのです。

 

スズメバチの巣に対し

中途半端(ちゅうとはんぱ)に殺虫剤を吹きかけてみたり

エアガンやパチンコ、矢を撃ち込んでみたり、

長い棒などでイタズラしてみたり、

焚き火の煙がかかってしまったり、

それらの行為は本人だけでなく、

関係無い住人や通行人に大きな危険をもたらしてしまうのでやってはいけません。

危険な事はせず駆除の業者に処理を依頼するのが良いと思います。

台風や大雨、地震などの災害で巣が損害をうけたりした時も同様の危険が発生するので、

スズメバチの巣が生活圏内にある場合は早めに業者に処理してもらうといいと思います。

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