ニホンミツバチ保護飼育 佐々木 伸一

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2021.06.05 ニホンミツバチ 029番

2021.06.05 ニホンミツバチ 029番

以前、蜂の巣駆除を仕事としていた時、たまにニホンミツバチの駆除の依頼が来る事もありました。

お墓の中

床下

天井裏

ゴミバケツの中

お店の換気口のパイプの中

お宮様の御神体のお部屋の中

そして以前ご紹介しました押し入れの中などです。

実に様々な場所での駆除を体験しました。

依頼を請けて現場に着いて先ず考えるのは、

「ニホンミツバチ達を、どうやって殺さずに持ち帰るか」

です。

現場やお客様の御事情によってはやむを得ず殺して駆除せねばならない時もありますが、

たいていのお客様は、ニホンミツバチの事を説明し殺さず持ち帰りたい事を伝えると快く了解していただける場合が殆どでした。
もちろん料金は…(自分は本当に商売にはむいてません)

殺さずに持ち帰るには、まずニホンミツバチ達を巣から移動させないといけません。

一般には

巣の付いてる場所の梁(はり)や隣接する部分などをガンガン叩いて振動によりニホンミツバチ達を徐々に巣から追い出すやり方や

霧吹き

送風機(ブロワー)

吸引器

などがあるようです。

この巣からどいてもらう時、あまり強引だったり、ひどいやり方をするとニホンミツバチ達はしっかり見てますので、

せっかくニホンミツバチ達を持ち帰っても信頼関係の構築が出来ず逃去されてしまう事となります。

駆除前に少しでも意志疎通して乱暴しない事を伝え(言葉は通じませんが、生殺与奪権を持ち圧倒的に優位な立場の人間から伝えようと努力すればニホンミツバチ達は雰囲気を汲み取ってくれる群が殆どでした)

作業中にチョロチョロするニホンミツバチ達を潰して殺してしまわぬ様に細心の注意をはらう事が大事だと思います。

そして、作業スピードも大事です。

ニホンミツバチ達に苦痛な時間を少しでも短くしてあげる事が必要です。

ただ、どんなに保護してあげようと頑張っても、発狂モードで聞く耳をもたない現場も2件あったのを覚えてます。

1件は飲食店に飛来したニホンミツバチ達で、

蜂球の収容は殆どの場合楽チンなのですが違和感と統制のとれない動きで変だなと思いお店の方に聞くと、

最初に来たとき殺虫剤を思わず使用したとの事でした。

もう1件も殺虫剤で、

お墓の中のニホンミツバチの巣めがけてお墓の穴から殺虫剤をやったとの事でした。

どちらの件も殺虫剤を使用した事を先に説明される事なく、

お墓の件は知らずにお墓の穴を覗いた自分に対し、悲しみと憎悪の凄まじい感情の生き残りのニホンミツバチから激しく攻撃をくらいました。

あの憎悪と悲しみの入りまじったニホンミツバチ達の感情は本当に忘れられません。

お墓の中の巣房には穴からの殺虫剤スプレー噴射の勢いで丸く穴があき、

お墓の床面には厚さ3センチもニホンミツバチ達の死骸が一面に積もってました。

本来、お墓の中は遺骨が納められる所で、蜂が巣をつくって住んで良い場所ではないので駆除され殺されても当然ではあるのですが、とても悲しく色々考えさせられる出来事でした。


蜂の駆除業も3年目辺りから顔見知りのお客様も増え、

駆除依頼も激増し2週間待ちのお客様も出るようになり、申し訳ないので宣伝を全て取り下げました(市のゴミカレンダーの蜂駆除業者一覧からもその翌年には記載を消してもらいました)。

お客様の多くは顔見知りか知り合いかその紹介で、ニホンミツバチに熱をあげてる事を知って下さってて春から夏にかけてのニホンミツバチ蜂球の駆除依頼が時たま来るようになりました。(無論料金無料で回収させていただきました)

今は蜂の駆除業をやっておりませんので駆除依頼はあまり無いですが、

千数百件の様々な駆除現場での経験はニホンミツバチ保護飼育に生かされていると思います。

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